姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦の原材料が何かちゃんと知っている人って意外と少ないかもしれません。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
現場が忙しくなると軽トラやトラックなどの車両も常に動くようになるので、燃料の補給やエンジンオイルの交換、タイヤの消耗などが頻繁になってきます。仕事が忙しくて常に車両が動いている状態やのにそれらのチェックと交換をしないといけなくなるのでついつい忘れがちになるんですよね。逆に暇な時には交換もしやすいのにそれが必要になるほど車両が動かないんです。仕事があるのはすごく嬉しい事やけどちょっとジレンマです。

 

瓦は粘土層がある場所の近くで製造されていました。

 

現在、国内の瓦製造は愛知県の三州瓦島根県の石州瓦、兵庫県の淡路瓦の三大産地で賄っています。それぞれの産地には瓦の製造に適した粘土の地層があって瓦の大量生産を支えています。
でも昔は日本全国に瓦の産地がありました。私が住んでいる地域も瓦の産地として関西ではちょっと有名やったらしいです。
もともと瓦は大きな寺院などを建てる事になったらその近くで粘土層を探して、その近くに窯を作って生産していました。だから寺院の建設が終わったらその窯は破棄されて製造していた職人さんも次の仕事のために移動していたんです。

 

田んぼの下に粘土層があったらしいです。

 

淡路島では山に粘土層があって、今でもそこから粘土を採取しているんですが、うちの近所では田んぼの下を掘り返して粘土を採取していたらしいです。私が子供の頃はまだたくさん粘土を算出していて、瓦の製造も行っていたんですが、近所に住宅が建ってきて窯から出る煙と煤でかなり周辺環境に影響が出るようになったのと、粘土を採取していた田んぼも開発されて粘土が採取できなくなって行った事で衰退していき、今では製造している会社はなくなって、瓦関係の仕事をしているのもうちだけになってしまったんです。

 

瓦の原材料が粘土だけというのは意外と知られていません。

 

SDGsなどが大きく取り上げられるようになってきて、建築材料も自然素材のモノが見直されるようになってきました。工業製品はどうしても原材料として環境負荷の高いものが使われているので、それを如何に減らすのかが課題になっているみたいです。
ちなみに瓦は原材料は粘土だけというとてもシンプルなものです。意外と知られていないというか、意識すらされていなくて、「瓦って何から出来ていると思いますか?」と質問したら答えられない方が多いんですよね。そして粘土だけというのを知ってとても驚かれます。

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原材料は粘土だけやけど、焼成するのにガスを使うので環境負荷が小さいとは言えないんですが、廃棄しても自然に帰るのでライフサイクルで考えるととてもこれからの社会に適合しやすい素材なんです。
まずはそれを知ってもらえるようにしないとですね。